介護・福祉業のM&A
介護・福祉業界が抱える課題
人口に占める高齢者の割合は年々増加する中で、介護業に携わる人材は慢性的に不足しています。一方でビジネスの拡大を目的とした他業種からの参入事例が増え、競争が激化しています。
介護・福祉業界のM&A動向
介護・福祉業界の市場が拡大する近年、大手企業が他業種からの参入を行い、介護事業所が統合・再編されています。M&Aの件数も増加の一途をたどっており、その背景には譲渡企業と譲受企業のニーズの合致があげられます。譲渡側には人手不足、後継者の不在という課題があり、一方で譲受側には他業種への参入や事業エリアの拡大などの思惑があります。経営課題に悩む中小の事業所が大手の傘下に入り、再生する事例も増えてきています。
介護・福祉のM&Aを成功させるポイント
譲渡企業
- 事業の現状を正しく把握する
- 事業所の入居率・稼働率が低い場合、人材不足やサービスの質など、原因がどこにあるかなど、事業の現状を細かく分析し把握しなければなりません。
買い手が見つからない場合、高額な売却が困難となるため、それを究明し可能な限りの対策を講じておく事が重要なポイントになります。
- 入居者の介護度・建物に配慮する
- 介護度の低い入居者が多いと、稼働率が高くても収益性が低くなる場合があります。そのため施設入居者の介護度に配慮する事が重要になります。また、介護事業は不動産事業という側面もあるため、立地や建物のメンテナンスが行き届いているか、テナントの場合は過剰投資になっていないかなども大きなポイントになります。不動産としての評価額が低いと売却額にも影響が出るため、可能な限り対策を講じておくことが重要です。
譲受企業
- 適正な運営ができているか
- 法に基づいて適正な運営が行われているかどうかはもちろん、職員の人員配置の適切さや施設への投資や経費の使い道など、運営全般が適切な形で行われていたかどうかが重要なポイントとなります。
- 介護職員は一定数確保できているか
- 有資格者を確保するのが難しく、業界全体での離職率が高いため、人材の維持がM&Aの成功に大きな影響を与えるポイントになります。譲渡の理由が人材不足の場合、職員がまったくいない場合と、1人だけ足りない場合ではM&Aの成立や譲受できる金額にも影響を与える事になります。職員にM&Aの実施を伝える際、退職させないよう配慮することも重要なポイントです。
介護・福祉のM&Aのメリット
譲渡企業
- メリット
-
- 人材不足の解消
- 後継者不在問題の解決
- 従業員の待遇改善
- 大手傘下で安定的な事業運営ができる
譲受企業
- メリット
-
- 多店舗展開をすることによって、人材を適切に配置できる
- 介護事業の収益は安定性が高いため、リスクが少ない
- 既存の利用者様を引き継ぐことができる
- 経験のある従業員を獲得できる
- 新規の認可が出にくい業態での参入も障壁が低くなる
数多くのM&Aに携わった専門家が ご相談に対して的確にご提案いたします。